冬山登山は慎重に!
あけましておめでとうございます。
まだまだ駆け出しの私たちですが、今年も精いっぱいがんばっていく所存です。
どうぞよろしくお願い申しあげます。
さて新年一回目の記事ですが、真面目な話になります。
年末年始、たくさんのお客様に来ていただき賑わったのはとても嬉しかったのですが、
やはり2017年、特別な年ということもあってか、
自分の実力以上にがんばってしまったり
そもそも実力を把握してなかったり…といった方もいらっしゃいました。
そんな中で「あわや遭難」ということが1月1日、2日と立て続けに起こりました。
11月、12月にあったことと合わせて
全部で4件、ここで紹介したいと思います。
どうぞ参考にしてください。
ケース1
11月下旬 Aさん(20代女性)
体力不十分、初心者。
雲取山荘泊の予定で、友人と二人で鴨沢バス停を10:00に出発。
Aさんのペースが大幅に遅れ、
友人は先に行ってしまう(友人は引き返さずそのまま一人で雲取山荘に到着)。
行動食を友人が持っていて、手持ちの食料はほぼゼロ。
通りすがりの人に行動食を分けてもらう。
14:00、堂所で休憩中、下山途中の男性に会う。
男性が付き添って17:00七ツ石小屋着、宿泊。
鴨沢から七ツ石小屋まで7時間かかっている。
翌日雲取山に行きたいと言うが、小屋番の意見でまっすぐ下山してもらう。
ケース2
12月中旬 Bさん(30代男性)
体力あり、経験も豊富。
七ツ石小屋に荷物を置きその日のうちに雲取山ピストン。七ツ石小屋泊。
翌日、初めての赤指尾根を降りるという。
赤指尾根は降りる場合は迷いやすい、落ち葉が積もっていると尚更だ、という小屋番に対し、
コンパスワーク、ルートファインディングには自信があると答える。
小屋を8:00に出発。8:30から赤指尾根へ。
10:00ごろ迷っていることに気がつき、さらに2時間ほど歩くが引き返しを決断。
かなり疲労して七ツ石小屋に15:00に戻ってくる。
鴨沢ルートへ下山。
ケース3
1月1日 Cさん(81歳男性)
経験はあるがブランクあり。高齢。判断力不足。
2017年の元旦に雲取山の山頂に立ちたいと思い立ち、
雲取山荘に予約を入れ、鴨沢から8:00入山。
76歳以来の五年ぶりの登山。
ペースが上がらず、七ツ石小屋下分岐時点で14:30。
七ツ石小屋に連絡しようとするが携帯は電池切れ(電源を入れっぱなしにしていた)。
さらにこの分岐から、ブナ坂方面へ進んでしまい道迷い。
16:30七ツ石小屋着、宿泊。
鴨沢から8時間半かかっている。
翌日雲取山を目指すと言うので、危険性を説得し、鴨沢へ下山してもらう。
ケース4
1月2日 Dさん(40代女性)
体力あり経験も豊富。
1日、七ツ石小屋にテント泊。
翌日9:00に小屋を発ち雲取山へピストン。
七ツ石山から石尾根縦走路を下り奥多摩駅まで行こうとする。
14:00ごろ鷹ノ巣避難小屋近くで熊を目撃。
怖くなり、早く下山できる稲村岩尾根へとルートを変更し、道迷い。
道迷いしている旨を友人にショートメールで送る。警察と当小屋に連絡が入る。
来た道は下り勾配がきつすぎて登り返せず、
他の稜線を目指して登り、石尾根に出る。
石尾根ルートを辿り、自力下山。18:00、登山口まで来ていた警察と合流。
この4件はすべて無雪状態で生じています。
これから本格的な雪の時期です。
軽装備、準備不足、誤判断が招いたピンチで
夏なら何とか助かるような場合も冬は何とかならない、
とくに積雪期は生命の危険に直結します。
どうかご自分の能力をきちんと見定めてください。
自信のない方は、GW前後の雪が溶ける時期まで
下界でウォーキングしたり山の本を読んだりして準備していてください。
「2017年 2017mの雲取山」はまだまだ今年いっぱいは逃げませんので。