ヘリコプター無しの救助活動

先日、七ツ石小屋のすぐ下で、
急病で倒れた方がいらっしゃいました。
病院に運ばれましたが、残念ながら死亡が確認されました。

突然のことで、ご本人も思い残すことがたくさんおありだったでしょうし
ご家族もとてもお辛いと思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。

ここにこの日の経緯を書き残しておきたいと思います。

6月16日 13時頃、
ツアー会社のガイド付きパーティ(お客様6名、ガイド2名)のうち
ガイドの方1名が、
七ツ石小屋から3分ほど下の地点で急に倒れ、意識不明。

パーティ員の方がすぐに119番に通報。

通りかかった大学生パーティの一人が小屋に知らせにきて、
小屋番がAEDを持って駆けつけました。
AEDでショックを与えましたが心拍は戻らず、
人工呼吸と心臓マッサージを実行。

この日は小雨が続き、濃いガスに包まれていたため
ヘリコプターが飛べない、との知らせ。

警察の一人目の方が小袖から駆けつけてくださったのが
15時を回ったころ。

警察の方が次々到着し、心肺蘇生法が引き継がれたのが16時前くらいだったでしょうか。

それまで、AEDのアナウンスに助けられながら
およそ3時間近く人工呼吸と心臓マッサージをしていたのですが、
5人の大学生パーティが率先して協力してくれて、
交代の人数がたくさんいたのでとても助かりました。
本当にありがとうございました。

そののち、消防士さんたちが心電計付きAEDを持って到着。
小屋のAEDから引き継ぎ、その後もずっと心肺蘇生法を継続。

大勢の消防士さん達(10名以上)と担架が到着し、搬送ルートを決定し、
搬送が始まったのが18時ごろ。
七ツ石尾根の作業用モノレールで運ばれ、
救急車に引き継がれ、病院に着いたのが20時を過ぎた頃でした。

今回、初期に迅速に対応でき、その場の人たちの協力があり、
警察・消防の方々のご尽力も非常に見事でした。

それでも、ヘリコプターが飛べないと、
病院までなんと遠いこと。
搬送がなんとなんと大変なこと。

山はやっぱり山なんだなぁ……と思わされました。

登山をするということは、
そういう場所に自ら入っていくということ。
当たり前ですが、忘れがちなことです。
これを読んだ方が心のどこかに留め置いていただければ幸いです。

私たち小屋番も、そういう場所に身を置く者として
いっそうの用意をして、訓練を受け、
今後も気を引き締めていきたいと思います。

<追記>
この記事は、今後の事故対策のため、また
登山者の方に安全への認識を持っていただくために書きました。
一切の文責は七ツ石小屋の小屋番、藤本にあります。
万が一、この記事をご不快に思われた方は
直接、七ツ石小屋(090-8815-1597)にご連絡ください。対処いたします。
(2018/6/23)