台風通過後の小屋周辺について
9月9日に台風15号が、10月12日に19号が、
多くの爪痕を残して通過しました。
20号は消え、21号は本州を離れて通過してくれそうですね。
昨日、10月23日には綺麗に晴れて富士山の初冠雪の姿も見え、
少しだけ気分が晴れました。
日本各地でたくさんの方々が多大な被害を受け、
今も心身ともにお疲れになっていると思います。
心よりお見舞いを申し上げます。
各地の登山道も大きく被害がありました。
しばらく営業停止している小屋や
復旧を前に今期営業を終了してしまった小屋などもあります。
あまりにも数多くの被害に、他人事ではなく心が痛みます。
七ツ石小屋は運良く、15号の風にも19号の雨にも耐え無傷です。
小屋の取水パイプが破損したりしましたが修復済みです。
小屋泊もテント泊も以前と変わりなくご利用いただけます。
ルートに関してですが、
堂所〜マムシ岩間に倒木が一本ありますが、通れます。
七ツ石小屋下分岐から左のブナ坂に行くルートの橋が崩落し、現在通れません。
同じ谷筋に当たる、小屋上の水場分岐は、崩れていますが注意すれば通行できます。
当面の間、鴨沢ルートで雲取山にお越しの際は
(通常の登山道を使うのであれば)かならず
この小屋上の水場分岐を通る形になりますので、ご注意ください。
この分岐より上では大きな問題はありません。
麓のことですが、
山梨県丹波山村では避難勧告はありましたが大きな被害はなく、
のめこい湯や道の駅、ライダーズカフェ多摩里場、山の休憩所かゑるなども
通常営業しています。
奥多摩町のほうが被害がひどかったですね。
昨日10月23日、奥多摩町の氷川地区ではやっと断水が解消されたそうです。
これで今まで休業していた飲食店もやっと暖簾を上げられるでしょう。
道路が大きく崩れて孤立していた日原地区にも、仮設歩道が設置されたとのこと。
まだ車やバスは通れないので、日原方面の登山口は利用できませんのでご注意を。
三峰口〜三峰神社は通行止めは解除されましたが、
バスの通行は安全確認が出来次第とのことです。
その他の周辺の山については以下のビジターセンターのHPを参照してください。
奥多摩ビジターセンター
https://www.tokyo-park.or.jp/nature/okutama/index.html
御岳ビジターセンター
https://www.ces-net.jp/mitakevc/
ビジターセンター職員さん、東京都レンジャーさんが日々調査していますが
とにかく登山道が多いのが奥多摩の特徴で、まだ未調査の部分があります。
ビジターセンターや山小屋に確認した上で、
情報のない道には無闇に入ることは控えてください。
通行できない場合は引き返すことを前提に、普段より余裕をもって計画してください。
また、この場を借りて皆さんにお願いしたいことがあります。
おそらくどの山小屋も大なり小なり経営的にションボリの秋なので、
行ける山には行って応援してほしい、麓の町にもお金を落としてほしい、
いま行けない山には、行けるようになったら行ってほしい!
と思うし、それも大事なのですが………
もし登山できる健康な身体と、少し遠くに行く行動力と、山の装備があるなら
それに少しの買い足しで済むので、
各被災地にボランティアに行ってほしいです。
山小屋のブログで呼びかけることじゃないかもしれませんが。
ああ、それと。
話は小屋周辺のことに戻りますが、10月19日の朝から
キシャヤスデというムシが大量発生しました。小屋番Tも初めて見ました。
ツイッターで聞いたところ、雲取山から六ツ石山への石尾根ルート上にも、
甲武信岳にもたくさんいたそうです。
調べたら、7年間の幼虫時代を地中で暮らしていて、
成虫になった8年目に結婚相手を見つけに出てくるとのこと。
気温が0度になるまでがんばって婚活するようです。
鉄道レール付近で大量発生して汽車を止めるからキシャヤスデと名付けられ、
鉄道関係者には悩みのタネだそうですが
雲取山には鉄道レールはないので、駆除などはしません。
噛んだり刺したりしないので優しく見守ってあげてください。
https://youtu.be/znyyPwEPgVU
8年前は小屋番Tはこの小屋にいなかったから、ヤスデさん達の方が先輩だなぁ、
8年前って2011年か、いろいろあったなぁ、あっという間だったなぁ、
8年後もこの小屋に居られるのかな…などと物想いにふけっています。
月や星ではなく、ヤスデを見つめているのではあまり絵になりませんが。
10月の山はヤスデの山〜♪と口ずさむ、そんな秋です。