10連休GWが終わって…
元号をまたぐスペシャルデラックスな2019年のGWが
どうにかこうにか過ぎてゆきました。
とにかく今年は、10連休と長期戦なことと、
お隣の奥多摩小屋とそのテント場が3月末で閉鎖したことを受け
当小屋のテント場を「混雑しそうな指定日は予約制」とさせていただき、
それがうまくいくかどうかが内心ハラハラでした。
フタを開けてみると、テント泊の予約者のみなさんは
マナーが良い方ばかりで、狭いテン場でお互いに譲り合ってくださり、
例年よりもスムーズに平和なテント場が出来上がりました。
本当にご協力ありがとうございました!!m(_ _)mm(_ _)mm(_ _)m
「指定日は予約制」ということの周知が十分でなく
知らずに来てしまった方には申し訳ありませんでしたが、
事情を話すとほとんどの方が快く雲取山荘へ向かったり、
当小屋の小屋泊に切り替えたりしてくださいました。
少数ですが下山を選ばざるを得なかった方がいらしたのは心苦しかったです。
どうか、下調べをして空いているときにまた来てくださいm(_ _)m。
事件としては、令和最初の日の5月1日に行方不明者がありました。
警視庁から2名、山梨県警から2名が入山して捜索、
小屋番も捜索に当たり、多くの登山者の方にもご協力いただきました。
結果、夕方に無事見つかり、警察の方と一緒に自力下山していきました。
それと5月4日の雷です。
GW、午前中の天気良し、13時前という、
一年のうちでも屈指の登山者が多いタイミングで雨、雹とともに雷鳴、稲光。
とにかく小屋内、軒先、水場の屋根の下、トイレなどに避難してもらいましたが
建物内に入りきれない方に至っては、
テント場で低い姿勢をとってもらうしかありませんでした。
大げさでなく小屋周辺に100人以上の人がいたと思います。
そんな中で事故などが無かったのは本当に良かったです。
後日、同じ日の同じ頃に丹沢で落雷、死亡事故があったと知り、戦慄。
改めて雷への対策を学びなおし、
登山者の誘導についても小屋番同士で話し合いました。
亡くなった方のご冥福を改めてお祈りいたします。
さて、ここへ登ってくる方の全体的な傾向ですが、
軽装すぎる人は一時よりずいぶん減りました。
少し前は、靴はクロックス、スニーカー(底がすり減ってたり剥がれたり)、
荷物はトートバッグ、または手にコンビニ袋だけ…なんて人が
(とくにGWには)けっこういたのですが
この頃は装備は一通り揃えている方が多くなりました。
ただ、コースタイムの書かれた地図を持っていない、
コースタイムという言葉や活用法を知らない、
という知識面が不十分な方がなかなか減らないのは今後の課題です。
それと、とくに高齢の方で無理をする方が増えたように思います。
若い頃の登山経験からご自身を過信されていて
5年10年20年とブランクがあるのに、いきなり雲取山(雲取山荘)を目指して来て
行き着けず当小屋に緊急宿泊…というのは以前からままあることなのですが、
ここ1〜2年でそういう方が増えました。このGWでも何件かありました。
こういうケースは、小屋に辿り着ければ良いですが
一歩間違うと疲労による転倒滑落、ビバークからの低体温症などで
最悪の事態にもなりかねません。
ただ、ご高齢の方に注意を呼びかけるのはネットではなかなか難しく、
やはり登山者の方同士で声かけをお願いしたいです。
あまりにもペースが遅い、息が上がっているような人がいたら
今日はどこまで行くんですか?と声をかけてお話してみてください。
声をかけづらかったら「こういう人が◯時に◯◯辺りに居ました」と
七ツ石小屋に教えてくださるだけでもいいです。よろしくお願いします。
とりあえず雲取山鴨沢ルートでは
このGWは重大な事故や遭難はなく、胸をなでおろしています。
2019年度も、鴨沢ルートを利用する皆様が
安全登山で無事帰宅できるよう、微力ながらお手伝いできればと思っています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。