七ツ石小屋の歴史

台風9号10号は、雨風とも大したことはなく通り過ぎていきました。
今日は13号が迫っているため人が少なく静かな中で、
少しこの小屋の歴史を振り返ってみたいと思います。
といっても私たちも知らないことが多くて、
きちんと調べたいのですが忙しさを理由に先延ばしにしておりますm(_ _)m。
今日は分かる範囲でだけ書きたいと思います。

七ツ石小屋は、推定築80年のクラシカルな建物です。
梁はこの場所で角材にしたのではないかと大工さんが言っていました。
image
もともとは東京都水道局が水源林を管理するために建てた物だそうです。
なので、今でも一部の窓ガラスには東京都のマークが入っています。
(ここの地番は山梨県ですが、同時に東京都水源林内でもあるのです)。
image
それにしても……
七ツ石尾根と赤指尾根という二つの尾根で風から守られ、
水場はすぐ近くにあり、
富士山は正面に見えるという
なんともニクイ!良い場所を選んだなぁとつくづく思います。

山小屋としての歴史は今年で61年目だそうです。
そのうちの50年以上は、初代管理人の嶋崎兵市(たけいち)さんが守っていらっしゃいました。
とても人徳のある方で、多くのファンを惹きつけてやまなかったそうです。
今でも「ウン十年前にここに来たときにオヤジさんに良くしてもらって…」と訪ねて来られる方がよくいらっしゃいます。
嶋崎さんを慕う常連さんたちが贈った開設40周年、50周年の記念品が愛されてきた歴史を物語っています。
image
image
晩年、登って来られなくなった数年間は、常連さんたちが協力しあって小屋を維持していました。
その頃の常連さんは今も通ってきてくださっています。
嶋崎さんは残念ながら近年鬼籍に入られてしまいました。
私たちも一度はお会いしてみたかった…
でもきっと空から小屋を見守ってくださっていると思います。

その後数年は民間委託で管理されており、
2015年に60周年を迎えました。
この絵ハガキは当時のアルバイトのSKさんが自費で作ったものです。
(SKさんも今は常連さんになって来てくれてまーす)
image

そして今年4月から山梨県丹波山村の村営小屋となりました。
ちなみに私、小屋番Tは2013年秋から2015年春までここでアルバイトをしていて
この度村営になると聞き夫婦で管理人に応募しました。

昨今、登山者人口は増えていますが、多様な楽しみ方に分散されているせいか
ランプの下でストーブを囲んで、その日一緒になったお客さん同士で山談義をする…という古き良きスタイルの小屋は減ってきています。
こうした絶滅危惧種(?)の「山小屋文化」を私たちはできるだけ長く維持していきたいと思っています。
そして、できれば次の世代にもちゃんとバトンを渡したいです。
100年後にもこの場所に七ツ石小屋が健在であることが私たちの願いです。
今後も精進して参りますのでよろしくお願いいたします。
(今回は真面目な文章になってしまいました…さて文化を守るために今夜も飲みますか〜♪)

四季

前の記事

スズメバチとの闘い