docomoの携帯電話が使えるようになりました

ああ………
このタイトルのブログが書ける日をどれほど心待ちにしていたか分かりません。
ここまでの道のり、長かった………。

七ツ石小屋でdocomoの携帯電話が使えるようになりました!
あと、電気照明も点きますよ〜!

長かった道のりを紹介させてください。文章も長くなりますが…

二年ほど前は、この小屋はけっこう通話できたんです。
それが一年半くらい前からとてもつながりにくくなっていました。
ですが四月、当小屋が丹波山村営小屋になって直ぐのころは
電波状況も悪いけれど、それより携帯電話を充電する電気にも不便する状態。
公共施設である山小屋として
遭難などの緊急時連絡の必要性と、日々の通信ができることの重要性を鑑み、
改善へと踏み出していただけることになりました。

まず4月に小さなソーラーパネルと電波増幅器を設置。
しかしそれでは発電量も足りず、電波も思うように入りませんでした。

docomoの方が登ってきてくださって専門の機械で計測。
ここはとても複雑な電波の入り方をしていることが分かりました。
6月、外付けアンテナを設置。
これも試行錯誤で、はじめ西向きに付けたのですがダメで、
7月にまた来ていただいて、今度は南向きに付けてみて、やっとOK。
頼もしい外付けアンテナのお姿はこちら↓(命名:ハンペン)。
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あとは電力の問題。
電波増幅器(命名:ピーちゃん)がなかなかの電気喰いで、
せっかくの良好な電波を一日2時間くらいしか使うことができませんでした
(すぐに電気が足りなくなってインバータをピーっと言わせるのでピーちゃんなのです)。
それと室内の照明もランタンや灯油ランプに頼っていました。

この状態を受けて丹波山村役場内で議論を重ね、
関係各所への許可を取り付け、施工業者探しに東奔西走してくださり、
10月、ついに大きなソーラーパネルの取り付けに至りました。

ソーラーパネルはなるべく目立たぬように
バイオトイレの屋根の上に取り付けてあります。
本当にどこからも見えず、トイレから小屋に線が引っ張ってあるのだけが分かります。
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これで電力は確保され、ピーちゃんは静かになったのですが
コードを小屋に引き込む際に外付けハンペンに不具合が生じ、
再度、電波が悪い状態になってしまいました。
11月1日に小屋泊の予約受付を小屋の携帯電話で開始したのですが
なかなか電話がかからなかったり通話が途切れたりして
お客様には大変ご迷惑をおかけいたしました。申し訳ありませんでした。

これを再調整するためにまたまたdocomoさんが来てくださり、
一緒に電気工事士さんも再度来て、照明の配線をしていただいて
12月初旬にやっとやっと設備が整いました。
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念のために今日までアンテナの調子と、
天候による発電量・消費量のバランスを観察しまして…
「七ツ石小屋でdocomoの携帯電話が使えるようになりました!
あと、電気照明も点きますよ〜!」
と公言して良い状態になったという次第です。

ただし、下界と全く同じというわけにはいきません。
電気量には上限がありますので節電にご協力ください。
降雪中は電波はつながりにくく、
ソーラーパネルに積雪中は電気が使えないこともあります。
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(写真は11月末の雪降ろし。Iさん、ご協力と写真提供ありがとうございます)

いやいや、山小屋の設備工事というのは本当に大変です。
登ってきては、下界とは違う諸条件に悪戦苦闘して
遅くなってから山道を帰る…ということを繰り返してくださった
docomoの皆さん、電気工事士の皆さん、本当にありがとうございました。
また、いつも七ツ石小屋にご配慮、ご尽力していただいている
丹波山村役場の皆さんにも感謝の言葉が尽きません。ありがとうございます。

つい先日、奥多摩小屋ー小雲取山間で、心臓疾患で亡くなった方がいらっしゃいました。
第一発見者の方は、自分の携帯がつながらなかったので
最寄りの奥多摩小屋に走っていき下界に連絡してもらったそうです。
やはり、山小屋から下界にいつでもすぐに連絡がとれるということは
非常に重要だと改めて感じた一件でした。

今後は、七ツ石小屋も登山者の皆さんのいざという時にお役に立てると思います。
何かありましたらどうぞ小屋番にお声かけください。